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テザリングモニター ​

テザリングモニターは、Android 端末の USB テザリングを経由してタスクを実行し、一定タスク数ごとに**機内モードの ON/OFF で IP を自動的に切り替える(IP ローテーション)**機能です。

同一 IP から大量にアクセスして発生する レート制限や IP BAN を回避する目的で使います。IP を切り替えずに、Android 回線経由でまとめて並列実行するだけの使い方もできます。

不要な場合はスキップできます

通常のプロキシや自宅回線でタスクを実行する場合、テザリングモニターは不要です。モバイル回線を経由したい、または IP を定期的に変えたい運用のときだけ使用してください。

仕組み ​

テザリングモニターは、タスクグループを指定して次のように動作します。

  1. Android 端末の USB テザリングインターフェース(rndis0 など)を検出する
  2. そのインターフェース経由で通信するローカルプロキシを起動する
  3. グループ内の未実行タスクを バッチ(同時実行の単位)に分割して順に実行する
  4. Rotation が ON のとき、実行済みタスクが設定数に達したら 機内モードを ON → OFF して IP を切り替える
  5. 切り替え前後のグローバル IP を比較し、実際に変わったかを確認する
  6. 変わっていなければ、待機時間を延ばしながら自動でリトライする

タスクの通信はすべてローカルプロキシ経由で Android 端末の回線を通るため、PC 側の回線ではなくモバイル回線の IP でアクセスします。

Rotation が OFF のときは

IP の切り替えは行わず、Android 回線経由でバッチを順に実行するだけになります(IP は端末回線のまま)。「モバイル回線は使いたいが IP は固定でよい」場合はこの使い方になります。

前提条件 ​

テザリングモニターを使うには、Android セットアップ を先に完了しておく必要があります。そのうえで、次の 3 点を満たしてください。これはモニター画面の**接続ステータス(ADB / USB Tethering / PC Interface)**とそのまま対応しています。

条件画面上の表示確認方法
ADB で端末を認識しているADBadb devices で device と表示される
USB テザリングが ONUSB Tethering端末の 設定 → ネットワーク → テザリング → USB テザリング を ON
PC が回線を認識しているPC Interface端末経由のネットワークインターフェースが PC に現れる

3 つがすべて OK になると、ステータスが Connected(緑) になり開始できます。

USB テザリングを必ず ON にしてください

USB デバッグだけでは足りません。端末側で USB テザリングを有効化していないと、テザリングインターフェースが検出されず開始できません。ON になっていない場合は、画面の Enable tethering ボタンからアプリ側で ON にできます(後述)。

機内モードで IP が変わる回線が必要です

IP ローテーションは、機内モードの ON/OFF でモバイル回線が再接続され、キャリアから新しい IP が割り当てられることを前提にしています。固定 IP の契約や、再接続しても同じ IP が返る回線では IP は変わりません(この場合はリトライ後に失敗として記録されます)。

起動のしかた(2 つの入口) ​

テザリング実行を始める方法は 2 通りあります。

A. モニターウィンドウから手動で開始 ​

左サイドバー下部の Tethering(電波アイコン)をクリックすると、テザリングモニターのウィンドウが開きます。ここでデバイス・グループを選んで Start で開始します。以降の「使い方」はこの操作を説明します。

B. グループ設定から自動で開始 ​

グループ設定ダイアログの Tethering Monitor トグルを ON にし、そのグループに Android デバイスを割り当てておくと、タスク画面でそのグループを実行したときに自動的にテザリングバッチとして起動します(モニターウィンドウを開く必要はありません)。

  • デバイスが未設定のままだと通常実行にフォールバックします(テザリングは使われません)。
  • 実行中の状態は、モニターウィンドウを開くと自動的にそのグループに切り替わって表示されます。

いずれの場合も、待機時間・Parallel・ローテーション間隔などの動作設定はモニターウィンドウの Settings が共通で使われます。

使い方(モニターウィンドウ) ​

1. デバイスを選ぶ ​

Device の欄で、テザリング元にする Android 端末を選択します。選択すると接続チェックが走り、ステータスが表示されます。端末が出てこない場合は Refresh(更新アイコン)を押してください。

接続ステータスの見方 ​

Device パネルには、接続条件が 3 つのチップで個別に表示されます。

チップ緑(OK)赤(NG)のときの対処
ADB端末を認識しているUSB ケーブル・USB デバッグを確認
USB Tethering端末側テザリング ON端末で USB テザリングを ON(Enable tethering ボタン可)
PC InterfacePC 側 IF を検出数秒待って再チェック(ON 直後は現れるまで時間がかかる)
  • 3 つすべて緑 → 右上が Connected(緑) になり開始できます。
  • どれか赤 → Disconnected(赤)。赤いチップの下に、次に何をすればよいかのヒントが表示されます。
  • USB Tethering が OFF のときは Enable tethering ボタンが現れ、押すとアプリから端末の USB テザリングを ON にして自動で再チェックします(IF が現れるまで数秒かかります)。Android 14 以降の端末では設定アプリのスイッチを自動操作するため、端末の画面ロックを解除した状態で押してください。失敗した場合はボタンの下にエラーが表示されます。

手動で IP を変える(Change IP) ​

Device パネルの Change IP ボタンで、バッチ実行とは関係なく その場で 1 回だけ機内モードを ON/OFF して IP を切り替えられます。結果がボタンの左に表示されます。

表示意味
IP changed: 変更前 → 変更後(緑)IP の変更に成功
IP unchanged (IP) — try again(黄)IP が変わらなかった。もう一度押してください
赤いエラーメッセージ切り替え処理自体が失敗(インターフェース検出失敗など)
  • 自動リトライはしません。IP が変わらなかったときはもう一度押してください。
  • Connected(3 条件すべて OK)でないと押せません。また、そのデバイスでバッチ実行中は押せません(実行中は自動ローテーションが担当するため)。
  • 機内モードの待機時間には設定の Wait(ms)、IP 確認には Timeout(ms) が使われます。成功するとステータス下の IP 表示も更新されます。

開始前の動作確認や、「今すぐ IP を変えたい」ときに使います。

2. 設定を行う ​

Settings パネルで動作を設定します。各項目の詳細は 設定項目 を参照してください。

Parallel は 1 以上にしてください

Parallel が 0(初期値)のままだと開始できずエラーになります。同時に実行するタスク数として 1 以上を設定してください。

Rotation は ON / OFF どちらでも開始できます。OFF の場合は IP を切り替えずにバッチ実行のみ行います。

3. タスクグループを選ぶ ​

Task Group で、実行したいグループを選択します。グループに紐づく未実行タスクの件数が表示されます(実行中・成功済みのタスクは対象外です)。

4. 開始する ​

Start ボタンを押すと実行が始まります。

Start が押せない場合は、次のすべてが満たされているか確認してください。

  • デバイスが選択されている
  • ステータスが Connected になっている
  • タスクグループが選択されている

(Parallel が 0 のときは Start は押せますが、開始時にエラーになります。事前に 1 以上へ設定してください。)

途中で止めるときは Stop を押します。実行中のタスクを停止し、バッチを終了します。

設定項目 ​

項目既定値説明
RotationOFFIP ローテーションの有効/無効。OFF でも開始でき、その場合は IP を切り替えずにバッチ実行のみ
Wait(ms)10000機内モードの切り替え待機時間。ON 後と OFF 後にそれぞれ半分ずつ待ちます(既定なら各 5 秒)
Parallel0バッチサイズ(同時に実行するタスク数)。1 以上にしないと開始できません
Every(tasks)10何タスク実行するごとに IP をローテーションするか(Rotation が ON のときのみ有効)
Pre-delay(ms)2000ローテーション開始前の待機時間。直前の通信が終わるのを待ち、レート制限を避けるためのもの
Timeout(ms)30000グローバル IP を確認するときの通信タイムアウト
Retry3IP が変わらなかったときに再試行する回数。試行ごとに待機時間が延びます(バックオフ)

Parallel と Every(tasks) の関係

Parallel はタスクを何件ずつ同時に走らせるか、Every(tasks) は何件終わるごとに IP を変えるかです。

例えば Parallel = 3 / Every(tasks) = 10 なら、3 件ずつ並列に実行し、通算 10 件終わった時点で IP を切り替えます。

なお、同時に実行しているタスクは同じ IP を共有します。1 タスクごとに必ず違う IP を使いたい場合は Parallel = 1 / Every(tasks) = 1 に設定してください。

実行中の画面 ​

ステータス ​

中央の大きなインジケーターに現在の状態が表示されます(円の中の ON/OFF は稼働中かどうかを表します)。

表示意味
Idle停止中
Monitoringタスク実行中
Rotating IP...IP ローテーション実行中
Retrying IP...IP が変わらず再試行中(括弧内は試行回数)

インジケーターの下には、テザリング回線から見た現在のグローバル IP が表示されます。更新アイコンで手動再取得できます。

進捗 ​

実行が始まると進捗パネルが表示されます。

  • Batch … 現在のバッチ / 全バッチ数
  • Tasks … 完了タスク数 / 全タスク数(実行中の件数も N running として表示)
  • Rotations … IP ローテーションの成功回数(失敗があれば失敗数も)
  • Next rotation … 次のローテーションまでの残りタスク数(Rotation が ON のとき)
  • Interface … 検出したテザリングインターフェースとローカルアドレス
  • Proxy … 起動中のローカルプロキシのアドレス(127.0.0.1:ポート)

ログ ​

Log パネルに動作履歴が時系列で並びます。バッチの開始/完了、IP の切り替え結果(変更前 → 変更後)、変わらなかった場合の再試行・失敗もここに記録されます。

トラブルシューティング ​

「テザリングIF検出失敗」と出て開始できない ​

端末側の USB テザリングが OFF になっている可能性が高いです。Enable tethering ボタンを押すか、端末の 設定 → ネットワーク → テザリング から USB テザリングを ON にして、Refresh を押してから再度お試しください。

USB ケーブルが充電専用だと通信できないため、データ通信対応のケーブルを使ってください。

「Parallel が 0 のため開始できません」と出る ​

Settings の Parallel を 1 以上に設定してください(同時に実行するタスク数)。

Start ボタンが押せない ​

次をすべて確認してください。

  • デバイスが選択されているか
  • デバイスのステータスが Connected(ADB / USB Tethering / PC Interface がすべて緑)か
  • タスクグループを選択しているか

Change IP が押せない ​

  • ステータスが Connected になっているか確認してください(3 条件すべて OK が必要です)。
  • そのデバイスでバッチ実行中は押せません。実行中の IP 切り替えは自動ローテーションが担当します。

IP が変わらない(Retry 後に失敗になる) ​

  • 機内モードの切り替えが速すぎる可能性があります。Wait(ms) を長め(例: 20000)にしてください
  • 電波の掴み直しに時間がかかる場所では、Pre-delay(ms) も長めにすると安定します
  • 契約や回線の仕様上、再接続しても同じ IP が割り当てられる場合があります。この場合はテザリングモニターでは IP を変えられません

タスクが失敗する / 通信が不安定 ​

  • モバイル回線の電波状況を確認してください
  • Parallel を下げて同時実行数を減らすと安定することがあります
  • ローテーション直後は回線が復帰しきっていないことがあります。Wait(ms) を長めに設定してください

Android 端末の接続がまだの場合は Android セットアップ を先に行ってください。